東京都江東区のお客様よりATF圧送交換のご依頼です。

現在の走行距離は81000キロ。

特に不具合や不調は見受けられないけれど、トラブルを防止するためにATF交換を実施したいという事で入庫となりました。

リフトアップをして下回りの確認しますが、オイル漏れ等も無くコンディションは良好です。
ドレンボルトを外してオイルを排出。
のちほど圧送交換をする際に比較できるように、少し採取して保存しておきます。
走行距離81000キロですが、内部の状態は良いようです。
バルブボディ取付ボルト緩めて本体の取り外しにかかります。
取り外したコントロールバルブボディ。

8個のソレノイドバルブ外して洗浄。メッシュフィルターに詰まっていた異物も除去してキレイさっぱりです!
オイルガイドパイプはOリングのみの供給はないためassyでの交換。
見える範囲内ですがハウジング内を出来る限り洗浄。
バルブボディを元に戻して新しいストレーナーを設置します。
マグネットの鉄粉量は少なめ。トランスミッションのコンディションは良好とお見受けいたします。

汚れを取り除き、オーバーフロープラグとガスケットを新品に交換。

取付ボルトは再使用不可。新しいボルトに交換して規定トルクで締め付けます。
こちらの車はトルクコンバーターからもオイルを抜くことが可能です。
ドレンボルトは交換。
圧送交換で使用するオイルは「ペトロナスのATF700」近年多段式6速・7速・8速車に最適な高性能オイルです。
抜けたオイルは約7リットル。この車の総油量は9リットルなので約8割程度は抜けた計算になります。
メルセデス専用のアタッチメントでトルコン太郎と接続します。
抜けた分のフルードを充填して圧送交換を始めます。

圧送交換の流れは一定量の交換後、自動的に10分間のクリーニングが始まります。
クリーニングが終わり、そしてまた圧送交換をします。これを繰り返しながら出来るだけ新油に近い状態になるように持っていきます。

数回の交換を繰り返すことで新油とさほどかわらない位になりました、ここまでなれば十分ですね。
高性能万能添加剤SOD1-Plusを同時に充填。
ATF総油量に対して7%を添加します。
温度管理をしながら油量を調整。
規定温度に達したらオーバーフロープラグを外して、流れ出てくるオイルが糸状になれば油量調整は完了です。
今回のATF交換では約8万キロというタイミングでのご依頼で、元々トラブルがあったわけではないのであきらかなフィーリングの違いはありませんでした。
ですが変速時のつながりは滑らかになり、力強い加速も感じとれました。今後のトラブルを予防する意味も含めて、おクルマを大事にされている方にとってはいい事例となったのではないかと思います。
ご依頼ありがとうございました。
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
● 初めての問い合わせで迷っている方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

メルセデスベンツ CLK350 (C209)

<トルコン太郎ATF圧送交換一式他>

・バルブボディ脱着清掃
・ATオイルパンガスケット交換
・ATFストレーナー交換
・バルブボディ固定ボルト交換
・オーバーフロープラグ交換
・ATオイルパン固定ボルト交換
・オイルドレンプラグシールリング交換
・オイルガイドパイプ交換
・VGSカプラーOリング交換
・トルクコンバータードレンボルト交換
・ATF(ペトロナス ATF700)20L

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。