ボルボS80のATF圧送交換です。

お隣の東京は江戸川区からお越しいただきました。
現在の走行距離は97400キロ。交換するタイミングは少し遅いようですが、現状でトラブル無いのでしたら特に問題ありません。
事前の診断ではかなりの数のフォルト。幸いすべてが過去の履歴でしたのでキレイに消去できました。
リフトアップをして下回りの確認をしてみると、オイル漏れの痕跡があります。どうやらオイルパンのシーリングあたりから漏れ出ているようです。ひとまず様子を見るため、取付ボルトの増し締めと周りを洗浄しておきましょう。
オーバーフロープラグを外してフルードの排出。
比較用瓶の少し保存しておきます。
さらにドレンも外してできるだけ古いフルードを排出。
抜き取りが終わったらガスケットを新品に交換して確実に取り付けます。
圧送交換ができるように専用のアタッチメントで準備をします。
トルコン太郎を車両と接続。
使用するフルードはペトロナスのXP-4。現在は後継のATF700に切り替わっています。

抜けた分のフルードを充填して圧送交換を開始します。

圧送交換の流れは一定量の交換後、自動的に10分間のクリーニングが始まります。そのクリーニングが終わり、そしてまた圧送交換をします。これを繰り返しながら出来るだけ新油に近い状態になるよう、状況に合わせて交換をしてまいります。

複数回に分けて交換をすればその分クリーニングをすることができ、さらに内部の汚れを取り除くことができます。ここまでキレイにすることができれば十分ですね!
フルード量の調整は油温を管理しながら実施。
オーバーフロープラグOリングは新品に交換。
さらに今回はSOD1-Plusも添加。
添加量は総油量の7%です。このまま添加をすると油量オーバーになるので、事前に添加量分を抜き取っています。
オイルパン周りをキレイに洗浄しましたが現状では漏れている箇所が特定できていません。漏れてくる量が少ないため、すぐには判断ができないため今後の整備課題となりそうです。
SOD1-Plusにはシール類を柔らかくして膨潤作用がありますので、こちらの効果を期待しながら今後の状況を見ていきたいと思います。
事前の検査で、あれほどあったフォルトは一つもありません。

一昔前は「ATFは無交換」と言われていた時期もあり、交換に対する抵抗があるかもしれません。

でもエンジンオイルは定期的に交換されますよね?

ATFも同じオイルですから、車を使用することで劣化もしていきますし、汚れた古いオイルのままだと性能が低下してトラブル発生の原因にもなるため、定期的に交換する必要があるんです。

早めのメンテナンスで愛車をいたわってあげましょう!
ご用命ありがとうございました。
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
● 初めての問い合わせで迷っている方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

ボルボ S80
施工時走行距離: 97,400 キロ

<ATF圧送交換一式>

・ドレンボルトガスケット交換
・オーバーフロープラグOリング交換
・オイルクーラーラインOリング交換
・ATF (ペトロナス XP-4) 20L
・SOD1-Plus添加

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。