東京都新宿区からご来店いただきました、セルシオのATF圧送交換のご依頼です。

現在の走行距離は13万キロ。

事前のディーラーさんでの相談では「ATFの交換は絶対に勧められない」言われていたものの、トルコン太郎の圧送方式なら不具合は出ないのではないかと思い、色々情報取集をされたそうです。その結果、ATF交換のご決断をされ、ご依頼をいただきました。
走行距離13万キロと多いですが、現状でトラブルが無ければATF交換後に不具合が発生することは、ほとんどありません!というか弊社では500台以上の施工をしていますが、いままで不具合に至った報告は一度もありません。
変速しない、変速時に滑る、異音がするなどの症状がある場合は、内部の機械的な故障が考えられるため、ATF交換をしても改善することはないでしょう。
今回13万キロとなりますが事前の問診や走行テストでの不具合はありませんでしたので、作業を進めてまいります。
新車時から18年。丁寧に乗り続けてきた証でもあります!下回りの様子ですが、こんなにもキレイです!
ドレンボルトを外してフルードの排出。この時、比較用瓶に少し採取しておきます。
オイルパンを外すとストレーナー、バルブボディが見えてきます。黒い箱のような物がATストレーナーです。
ストレーナーの新、旧の比較です。
13万キロ走り続けたストレーナーは、十分に役目を果たしてくれました。新しい物と交換をしてあげましょう。
新品は気持ちがいい物ですね!
バルブボディ下側および見える範囲は、できる限り汚れを洗い流します。

Oリングを新品に交換して取付。

先ほど取り外したオイルパンの底部には鉄粉吸着用のマグネットがあります。
すでに鉄粉量は飽和状態。

永久磁石ですのでキレイに取り除けば再使用可能。
定位置へセットして
ガスケットを新品に。
元通り組付けます。
今後ドレンボルトを緩めることは無いので、ココで交換しておきます。
車種によって様々ですがATオイルクーラーラインを使用してトルコン太郎と接続。セルシオの接続は簡単です。
使用するフルードはトヨタオートフルードWSです。
※前期、後期では搭載されているトランスミッションが変更されているため、使用するフルードもそれぞれ種類があり、注意が必要です。
抜けた分のフルードを充填して圧送交換を始めます。

圧送交換の流れは一定量の交換後、自動的に10分間のクリーニングが始まります。そのクリーニングが終わり、そしてまた圧送交換をします。これを繰り返しながら出来るだけ新油に近い状態になるよう、状況に合わせて交換をしてまいります。

数回の交換を実施した結果、ここまでキレイになりました。ほぼ新油と変わらないレベルです!
油量調整はレベルゲージが無いタイプですので、少し手間がかかります。診断機でAT油温の実測値を見ながら実施。
調整温度になったら、オーバーフロープラグを外して、流れ出てくるフルードが糸状になれば完了です。
オーバーフローガスケットは新品に交換。
続いて追加でご依頼のあったデフオイルを交換します。
気になっているところがありましたら、同時に整備もできますのでお知らせださい。
ドレンマグネット。大量の鉄粉が。
キレイに取り除けば、ご覧の通り!
規定量を注入してデフオイル交換完了です。
一通りの作業が終わりましたのでテスト走行済ませて…

もう一度、リフトアップをしてオイル漏れがないか?外した部品の締め忘れはないか?入念にチェックを実施。

最後に車両システムの総合診断。一つもエラーはございません!
無事に納車も終わり、後日、お客様よりご報告をいただきました。
セルシオATF交換後のお客様の声
まるで新車に戻ったのかのようなフィーリング
ATF交換前も特にシフトショックは感じていなかったものの、交換後はタコを見ていないと、いつシフトアップされたのか分からないほどスムーズにギアチェンジされるようになったとのことです。
「13万キロ、18年という過走行車でも問題なく交換してもらい大満足。忘れていた新車時のフィーリングが蘇り感激!」

このような報告は私たちメカニックにとって、凄く嬉しいですし今後の励みにもつながります。

ご依頼ありがとうございました!

一昔前は「ATFは無交換」と言われていた時期もあり、交換に対する抵抗があるかもしれません。

でもエンジンオイルは定期的に交換されますよね?

ATFも同じオイルですから、車を使用することで劣化もしていきますし、汚れた古いオイルのままだと性能が低下してトラブル発生の原因にもなるため、定期的に交換する必要があるんです。

早めのメンテナンスで愛車をいたわってあげましょう!
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
● 初めての問い合わせで迷っている方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

トヨタ セルシオ (UCF31)
施工時走行距離: 130,000 キロ

<ATF圧送交換一式>

・ATオイルパンガスケット交換
・ATストレーナー/Oリング交換
・ドレンボルト/オーバーフローガスケット交換
・ATF (トヨタオートフルードWS) 20L
・デフオイル交換

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。