ポルシェ911タルガS(997型) トルコン太郎でATF圧送交換

2021年4月12日

トルコン太郎(ATF交換) 整備&修理整備日記

ポルシェタルガS — 埼玉県上尾市のお客様より、ポルシェタルガS トルコン太郎でATF圧送交換のご依頼です。
現在、不調は無いですが今後のトラブル予防のため、10万キロを超えたこともありATF交換を希望されて入庫となりました。

ポルシェタルガSのスピードメーター — 走行距離はちょうど10万キロを超えたばかりです。メーターは白地に黒の数字が刻まれておりシンプルですがスポーツモデルを彷彿させるデザインです。

ポルシェタルガSのリフトアップ — リヤエンジンのため前後逆にしてリフトアップ。この状態で作業を進めます。

ポルシェタルガSの下回りの様子 — 下回りはキレイなものです。写真下側に見えるエキゾーストマニホールドの形状が美しいですね。

ポルシェタルガSATフルードの抜き取り — まずは古いフルードを排出。結構勢いよく出てきます。

ポルシェタルガS古いATフルードの保存 — 比較用に旧油を保存しておきます。

ポルシェタルガSのオイルパンを外す様子 — ドレンボルトから排出が終わってもオイルパン内部には残留しているフルードがありますので、こぼさないようにゆっくりと取り外します。

ポルシェタルガS、ATストレーナー。 — オイルパンを外すとバルブボディとストレーナーが見えてきます。このストレーナーは新品と交換します。

ポルシェタルガSの旧品と新品ストレーナの比較 — 新品と旧品の比較。真っ黒に汚れているのはすべてAT内部のスラッジ等の汚れになります。
こんなに違いがはっきりと分かるのは、やっぱりATフルードは定期的に交換するのが必要ですね。

ポルシェタルガSの旧品ATストレーナー。 — こちらのストレーナーは不織布タイプ。しっかりと汚れやスラッジを濾し取っているのがわかるでしょうか？

ポルシェタルガS、新品ストレーナー内部 — やっぱり新品は気持ちがいいですね。

ポルシェタルガSオイルパン内部の添付ん旧茶今日のマグネット — マグネットには鉄粉が吸着されています。

ポルシェタルガS鉄粉吸着マグネット — 鉄粉をしっかりと吸着していますが、量としては適正範囲内です。むしろ少ないくらいに思います。

ポルシェタルガSマグネットの洗浄の様子 — キレイに汚れを落とし洗浄完了です。

ポルシェタルガSオイルパンの洗浄済 — オイルパンの汚れも洗い流し、マグネットを定位置にセット、ガスケットは新品に。

ポルシェタルガSバルブディ下部の洗浄 — バルブボディ下部の洗浄は念入りに行なって、、、

ポルシェタルガS新品ストレーナーの取付 — 新品ストレーナーをしっかりとはめ込みます。

ポルシェタルガSオイルパンの取付 — そしてオイルパンを元通り組み付。

トルコン太郎をポルシェタルガSに接続 — ポルシェタルガSにトルコン太郎を接続するには専用ツールが必要になります。
市販されているのもはないので、弊社独自で製作したSSTを使用します。

ポルシェタルガSのATF圧送交換用ツール — 専用ツールで接続。圧送交換の準備ができました。

使用するフルードはモチュールマルチATF — 今回使用するのはモチュールのMULTI ATFです。

ポルシェタルガSのATF圧送交換の開始。 — 抜けた分のフルードを充填します。

ポルシェタルガSATF圧送交換 — 交換の様子をわかりやくすするため、５リットルづつ交換をしてきます。

ポルシェタルガS１回目のATF圧送交換が終了 — １回目の圧送交換が終わりましたが、見てわかるようにフルードはキレイになっていないですよね。
繰り返し交換することで次第に新油に入れ替わります。つづけて交換をいたします。

ポルシェタルガS、複数回ATF圧送交換 — 圧送交換の流れは一定量の交換後に自動的に10分間のクリーニングが始まります。
クリーニングが終わり、そしてまた圧送交換をします。
これを繰り返しながら出来るだけ新油に近い状態になるように持っていきます。

ポルシェタルガS、ATF圧送交換後の様子 — 複数回繰り返し、このようにキレイになりました。ここまでなれば十分満足できる仕上がりです。

ポルシェタルガSのATF油量調整温度 — 交換は完了しましたが、フルード量を適正にするため油温をモニターで確認しながら作業を進めます。

ポルシェタルガSの油量調整の様子 — 規定の温度になったらオーバーフロープラグを取り外して、流れ出てくるフルードが滴下状態になったら適量です。

一連の作業が終わりましたので、テスト走行の意味も含めまして試乗して各フィーリングや変速などのチェックを行います。ATF交換をしたことでより一層スムーズな変速、気持ちのいい加速が得られるようになりました。

ポルシェタルガS、試乗後再度リフトアップ — 工場に戻りましてもう一度リフトアップ。今回分解した箇所の確認やオイル漏れが無いかの最終チェックをします。

ポルシェタルガSの車両診断結果 — ショートテストの結果です。いくつかフォルトがでていますが走行に影響する箇所ではございません。納車時にお客さまにご説明して今後の修理方針をお伝えしたいと思います。

このようにオートプラネットでは丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業に時間がかかっています。急いで作業を行えばヒューマンエラーということも起こりえます。

ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

ご入庫ありがとうございました。

● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
● 初めての問い合わせで迷っている方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

ポルシェ 911 タルガS (997型)
施工時走行距離：　105,000km

＜ATF圧送交換一式＞

・ATオイルパンガスケット交換
・ATFストレーナー交換
・ドレンボルトガスケット交換
・オーバーフロープラグガスケット交換
・ATF（モチュールMULTI ATF）20.5L

■ 今回のご請求額は、101,300 円（税込）となっております。

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。

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この記事を書いている人

オートプラネット篠塚真介

埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。

タグ : 911, 997型, ATF圧送交換, タルガS, トルコン太郎, ポルシェ

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