車両はスバルのアウトバック3.0RでBPEになります。通称BP系です。
2022年11月現在、この修理に必要な「ハーネス SUB ASSY」が供給が追いついていないようで、メーカー欠品が続いている状況です。弊社でストックしてあった在庫も修理依頼の予約分で終了となる見込みです。
修理を希望されるお客様におかれましては、ご迷惑をお掛けすることになり申し訳ございません。
欠品が続いておりますが順次入荷する予定でございます。その他の修理も含め多数のご依頼がある状況ですが、ある程度の受け入れ態勢を整えていますので、修理を希望される方はお早めに連絡をいただければと思います。
弊社在庫用に仕入れた車両ですが、工場内の移動で変速ショックが大きいことに気づきました。5ATの不具合です。
症状の確認の意味も含めてテスト走行をして確認をします。2速から3速、3速から4速にシフトアップする際に、ものすごい衝撃が…
後方から追突されたかのような、大きなショックがあります。
これでは怖くて乗っていられませんし、デフやミッションが壊れるんじゃないかと心配になり、走行テストも程々に、2速固定で工場まで戻ってきた次第です。
5速オートマチックトランスミッションを搭載するのは、インプレッサの他に、レガシィ、エクシーガ、フォレスター、アウトバックなど多岐にわたり現在までに50台以上の修理をしてきました。
まずは診断機で故障箇所をチェックします。出てきたエラーは…
P1710 タービン回転センサー異常(トルクコンバータタービン2速度信号回路異常)という結果です。ネットではこのタービン回転センサーに関する記事がゾロゾロと出てきます。自身でもいろいろ調べてみると、ありました。
コレが該当するかも?
おっ、保証期間の延長が出ていましたね。該当するのかなぁと読んでみると、なんとこちらの車両は対象外のようです。この件に関する保証延長内容は新車登録から9年以内。そして既に9年を経過している場合は、保証期間延長の開始日より1年間の保証ということです。どちらにしても該当しないことがわかりました。
仕方ありません、実費で修理となりますのでまずは部品の見積もりです。
ハーネス SUB ASSY 36500円。
うーん、コレは少し高い…
でも別のルートで探すと10000円ほどで入手可能でしたので、すぐに発注をかけましたが海外からなので到着まで10日ほどかかります。
部品も到着したことですしタービン回転センサーの交換作業を始めます。タービン回転センサーはバルブボディの上側に付いていますのでバルブボディ本体を下ろさないと作業ができないようです。
フルードを排出します。
オイルパンを外したところです、バルブボディが見えます。
ハーネスを切り離し取り付けボルトを外して下ろします。
バルブボディが下りました。
この部品がタービン回転センサーです。おそらくセンサー本体のシーリング不良で内部にATFが侵入して故障につながると思います。
新品タービン回転センサー。
交換完了。
外したバルブボディはできるだけ残留フルードを排出してパーツクリーナーで洗浄します。
洗浄が終わりピカピカになったバルブボディ。
続いてオイルパンもキレイに掃除します。
鉄粉吸着用のマグネットです、かなりの量が付着しています。
鉄粉を取り除きキレイになりました。
オイルパンも洗浄してマグネットは元の位置にセット。
ここで少し余談です。実はこのATストレーナー単体での供給がありません。ですが海外のスバルは供給がありますのでタービン回転センサーと同時に手配をしておきましたので交換が可能です。
ストレーナー内部は汚れているのがよくわかります。
こちらは新品!やっぱり気持ちがいいですね。
見える部分のみなりますがミッション下部ハウジング内も洗浄。
バルブボディ、ストレーナーを元通りに復元。各部配線の接続忘れがないか、ボルトの締め忘れがないか入念に確認。
液体ガスケット塗布して取り付けます。
次は外部式のATフィルターの交換。
バッテリーの奥にあるのでサージプロテクターを接続して外します。
奥にあるのが見えますか?
新品に交換。
それではフルードの充填をして油量調整後テスト走行をしますが、その前に診断機を接続してAT学習を実施いたします。
指示どおり進めます。
AT学習を済ませて走行テストをいたしますが、こういう分解作業後はいつもドキドキするのものなんです。恐る恐る走行をしますが…結果はスムーズに変速するようになり、交換前の症状がウソのように消えました。
これで修理は終了となりますが、販売前に不具合が確認できて良かったです。念の為、販売はもうしばらく走行を繰り返してからしようと思います。
参考データ・作業内容
レガシィアウトバック (BPE) 5AT
走行距離: 56,000km
【変速ショック修理】
・タービン回転センサー交換
・バルブボディ脱着
・ATFストレーナー交換
・ドレンボルトガスケット交換
・ATF交換
国産車に限らず輸入車のトラブル修理も対応可能です。遠慮なさらずにお問い合わせください。
故障トラブルでお困りの方へ
ご自宅・現地まで引き取りに伺います!!
当社で保険会社のロードサービスをご利用できるようになりました。
・ご利用は無料
・等級に影響なし
・保険料に影響なし
・エンジンチェックランプ点灯
・見慣れない警告表示やランプ点灯
・オイル漏れ
・水漏れ
・焦げ臭い
・変な音
・変な振動
・エンジンがかからない
・変速ができない
・変速ショックが大きい
・動かすことができない
・なにかいつもと違う
など…
色々対応できます。
この様な場合、自動車保険(任意保険)の付帯サービスで弊社工場までのレッカー搬送、修理完了後の納車、修理期間中レンタカーのご利用が可能です。
遠方でもお客様への負担なく対応できますので、まずはご連絡ください。
※ご加入されている保険内容により変わりますので、
お手元に保険証券をご用意いただき、必ず事前にご相談ください。
この記事を書いている人
オートプラネット篠塚真介
埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。
初めまいて。
早々ですが、お問合せをさせて頂きます。
私、BP5に乗っており、年式2007年、走行 135,000Kmで、先月末、いきなり記事通りの症状が発生しました。
漸く、ディーラーで症状の確認と見積もりをお願いしました。
すると、二通りの見積もりが出てきました。
1.バルブハーネス交換:約10万円
2.コントロールバルブ交換:約25万円
又、ディーラー曰く、1.の場合は、完全に直る確率は、20~30%で、半年後に再発の可能性が高い。
それに比べ、2.の場合は、ほぼ、完治すると言われました。
費用も倍以上違いますが、そう言うものでしょうか?
実際、どうなんでしょう?
お教えください。
原様。修理の経験上でお話をさせていただきますと、1番の修理でほとんど完治します。
ハーネスに付属しているタービン回転センサーは、対策品に変更してありますので再発の可能性は低いと思われます。
弊社で修理をされたお車は半年以上経過していますが、再発の報告は一切上がっていません。
ご不明な点がございましたら遠慮なさらずに、連絡をいただければ幸いです。
お世話になります。
先日御社記事の通りの症状が出て、調べていたところこちらに行き着きました。
スバルで修理する場合は10万円程度かかるそうですが、こちらの記事に3.5万円のハーネスsub assyが1万円で手配できたとありますが、同じ修理を頼んだ場合、費用総額はいかほどになるでしょうか?
よろしくお願いします。
ご連絡ありがとうございます。こちらの記事にある内容はセンサー部分のみの交換となり、ハーネスsub assyではありません。費用につきましては使用部品特定のため、お車の情報が必要となります。恐れ入りますが下記のフォームにご入力いただき送信してください。どうぞよろしくお願いいたします。https://www.auto-planet.biz/blog/contact/
はじめまして
似たような症状が出てるのとATバルブボディーが原因でエンジンがかかなくなり本体一式交換されたというのを別ブログで見ましたが、修理依頼の方でこれが原因でエンジンがかからなくなってセンサー交換して治ったとう事例はありますか?自分のもたまにエンジンがかからなくなるので
ご連絡ありがとうございます。タービン回転センサーの不具合でエンジンがかからなくなったと言う症状は経験したことは無いですが、一度点検をしてみるのも良いかと思います。よろしければこちらのフォームにお客様とお車の情報をご記入していただき、お送りいただいてもよろしいでしょうか?
https://www.auto-planet.biz/blog/contact/