レクサスRC F。ATF圧送交換とその他の整備のご依頼です。

今となっては貴重なV型8気筒エンジン。絶滅危惧種。

国産車でV8エンジンが新車で販売されているのは、おそらくレクサスRC FとLCではないでしょうか? (他にもあるようでしたらどなたか教えてください) 少し前まではマジェスタ、セルシオ、ランドクルーザー、LSなどに採用されていましたが、これも時代の流れなんでしょうね。

脱炭素カーボンニュートラルと言われて、早2年くらいですが、自分の気持ちとしては寂しいです。

今日は、そんなV8エンジンを搭載したRC Fの整備を実施してまいります。
ますは下回りの様子を確認してみますが、気になるような点は見当たりません。コンディションは良好です。

ドレンボルトを取り外してオイルの排出。比較用に少し保存しておきます。
ドレンからの排出では完全に抜けきれていませんので、こぼれないようにゆっくりと取り外し。オイルはそれなりに赤味が残っていますので、汚れはひどくなさそうです。
黒い箱がATストレーナーです。
見た目では気になるような汚れはありませんが、ATF交換時には必ず交換をオススメします。
こちらは新品。まっさらで気持ちがいいですよね。
バルブボディの下側、見える範囲になりますが、できる限り洗浄。
そして新品ストレーナーを取り付けます。
オイルパン内にある鉄粉吸着用のマグネット。こちらはすでに飽和状態で役目を果たしていないようです…

永久磁石ですので鉄粉を取り除けば再使用可能です。
オイルパンの汚れを除去して、
マグネットを定位置にセットして、ガスケットを新品に交換。
オイルパンを元にもどします。性能が上がる訳ではありませんが、ピカピカに磨いておきました。だってその方が気分的にも気持ちがいいじゃないですか。あれっ?僕だけかな?
RC Fとトルコン太郎を接続。使用するフルードは純正のオートフルードWSです。
抜けたオイルは約4リットルほどです。
抜けた分のオイルを充填して圧送交換を始めます。
圧送交換の流れは一定量の交換後、自動的に10分間のクリーニングが始まります。そのクリーニングが終わり、そしてまた圧送交換をします。これを繰り返しながら出来るだけ新油に近い状態になるよう、状況に合わせて交換をしてまいります。

1回目が終了しましたが、まだキレイになる余地がありますので続けて数回の交換を行います。

いかがでしょうか?十分納得できるくらいにまでキレイになりましたよね!
油量調整作業です。トランスミッションごとに、それぞれ調整温度というものがあります。
調整温度範囲内に入ったらオーバーフロープラグを取り外して、流れ出てくるオイルが滴下状態になれば調整完了です。
ガスケットは新品に交換。
万能添加のSOD-1Plusを注入。油量調整が終わってますので、このまま注入すると多くなってしまいますので、添加する量を事前に抜き取っていまいます。
フィラープラグのOリングも新品に。
続いてデフオイルの交換。

ドレンにはものすごい量の鉄粉が吸着されていましたので、完全に除去。
こちらも純正オイルを充填。
ガスケットは新品に交換。

左右のTVDオイル交換。色味から見ると綺麗なままでもフルードの性能は劣化しているので交換。ATFと同じオートフルードWSが指定オイルです。
ガスケットはドレン、フィラー共に交換です。
左右共に規定量を充填します。
次はスパークプラグの交換。作業スペースは狭いですが右バンク、左バンク共に作業を進めていきます。

気になるほど劣化はしていないようですが、中古で購入したため交換歴は不明だそうです。新品に交換して正解ですね。レクサス純正スパークプラグ(DENSO-FK20HBR-J8)
規定トルクでしっかりと取付します。
ご依頼いただいた一連の作業が完了しました。

テスト走行前にATの学習値をリセット。
以前と違う滑らかなシフトフィーリングとパンチのある加速。終始安定して交換前とは明らかに違う走りが確認できました。

診断機で各システムのチェック。エラーは一つもありません。
今回のお車の走行距離は10万キロを超えたばかり。メンテナンスの区切りとしては丁度いいころで、各部リフレッシュができてコンディションはバッチリです。今後のV8ライフを楽しんでください。

ご用命ありがとうございました。

丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
● 初めての問い合わせで迷っている方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

レクサス RC F (USC10)
施工時走行距離: 101,000 キロ

<ATF圧送交換一式/その他整備>

・ATオイルパンガスケット交換
・ATFストレーナー交換
・ドレンボルトガスケット交換
・オーバーフロープラグ交換
・フィラープラグガスケット交換
・ATF (トヨタ純正オートフルードWS) 20L
・SOD1-Plus添加
・デフオイル交換 (トヨタ純正GL-5 75W-85)
・TVDオイル交換 (トヨタ純正オートフルードWS)
・各シーリングガスケット交換
・スパークプラグ交換

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。