東京都世田谷区S様よりDCTF交換のご依頼をいただきました。
お車はボルボV40、DCT車です。
DCT・DGSは各メーカーによって呼び方はさまさまで、ツーペダルクラッチ、デュアルクラッチと呼ばれるものです。
構造はマニュアル車(MT)でありますが、クラッチの操作や変速は自動的に行われるためは通常のATと何ら変わりません。
ですがDCTにまつわる不具合はネットで検索すればかなりの数がヒットしてきます。
今回使用するのはロイヤルパープルのシンクロマックス。
こちらのお車の容量は約6.8リットル。
交換前、気になっている症状が確認できましたが、交換後の走行テストでは、ほぼ解消されていました。
<2020年9月7日追記>
お客様より交換後の報告をいただきました。
ここに原文のまま掲載いたします。
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車購入時に気になる症状は2つありました。
1) 発進時のジャダー
2) 坂道で5-60km前後でエンジン回転が上下する(ハンチング?)
2)は全く無くなりました!特に複数人数で乗った時に顕著に出ていたので、車に負荷がかかった時に出やすいのではと思いますが、その後500km近く走り、全くその症状は出ません。
一方1)についてはアクセルワークを工夫することによって殆どでない、または殆ど気にならない状態に改善されましたが、上り坂からの発進。こちらも主に多人数や急坂の場合に、アクセルワークを工夫しても「ダッダッダッ」とジャダーが出ます。でも通常の状態では全く出ないか、出ても1回軽く「ググっ」という感じで以前に比べると大幅改善です。
同乗者からも坂道発進以外は全く感じない、または感じても以前のように気になるものではなく、「言われたらそうだよね」ぐらいの感覚だそうです。
自分も始めてDCTの車に乗ったので(そもそもDCTという存在自体知りませんでした…)、もしかするとトルコンではなくDCTであれば現状が普通なのかも知れません。または70,000kmもミッションオイル交換無しで走っていたので多少何か不具合があるのかも知れません。
出来れば同じDCTのV40で乗り比べてみたいところですが、そうも行きませんし、そこまで確かめる気力もありません(笑)
余談ですが、アクセルに対するレスポンスや、ダイレクトにパワーが伝わる感じは気に入ってます。坂道も走っている時はきっちりクラッチが繋がっている感じがしてこれはこれでDCTも良いな、と思っています。
また何か機会がありましたらよろしくお願い致します。
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参考データ・作業内容
ボルボ V40 (MB4164T)
DCTF交換一式
・DCTFフィルター交換
・ロイヤルパープル シンクロマックス
・SOD-1Plus添加
■ 今回のご請求額は、74,500 円(税込)となっております。
この記事を書いている人
オートプラネット篠塚真介
埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。
こちらはトルコン太郎を使われないんですか?
トルコン太郎を使用する方法もありますがDCTフルードは高価な為、今回はドレンアウトでの交換作業を行いました。このクルマはトランスミッションはマニュアルがベースとなっており、シフトチェンジをクルマ側が自動的に行うので、構造はマニュアルトランスミッションと同等です。使用されているオイルの交換もマニュアル車と同じように抜いてから入れるだけでも十分効果が見込めます。
当方もV60 24年式を所有いておりました。ジャダーが発生していてボルボ専門店でオイル交換、フィルター交換、SOD-1添加しましたが改善されず逆に頻繫にDCTセイノウテイカ発生、1速固定になり走行時にいきなり発生するため事故を起こしかねないとのことで廃車にしました。元のフォード社とゲトラグ製のDCTを搭載してます海外では訴訟問題に発展、保証延長になりましたがボルボは対応しないとのことです。
DCTは不調を感じる前にフルードの交換をされるのが得策だと思います。また同時にDCTクラッチのキャリブレーションの実施はセットで行うことで、つながりがスムーズになり快適な走行ができます。弊社ではフルード交換時には必ずクラッチのキャリブレーションを行っております。メーカーはトラブルが多いことを認識しているはずですから、もう少し柔軟に対応してくれるといいですよね。
ホームページ拝見させていただきました。
ボルボv60T42014年式のDCTですが、不具合の出る前で6万キロ走行くらいであれば、DCTオイル交換とSOD1プラスで不具合は高確率で発生しないのでしょうか。
ご連絡ありがとうございます。
そうですね、DCTはフルードの交換を怠ると、かなりの割合でエラーが発生したり、走行に支障が出たりする事例がございます。まだ6万キロという事もありますので早めにDCTF交換をすることで予防することができます。
その際に圧送交換とキャリブレーションを同時に行えばさらに効果的です。下記の記事をご覧ください。
https://www.auto-planet.biz/blog/business-diary/volvo-v60-2/
ご不明な点がございましたら、遠慮なさらずに連絡をいただければ幸いです。