群馬県高崎市よりメルセデスベンツ・ミディアムクラス300TDのATF圧送交換とスターター(セルモーター)交換のご依頼です。

初年度登録は昭和59年、現存するミディアムクラスの中では、かなりコンディションの良い車両ではないかと思います。

走行距離はなんと192000キロ!日ごろから手間暇かけて整備をすることでこんなにも長く乗り続けることができるのですね。

それでは作業を進めてまいります。
まずはオイルの排出。19万キロですが定期的にATF交換はされていたのでしょうね。オイルの赤色が確認できま
あとで比較できるように古いオイルを少し保存しておきます。
抜き終わりましたのでドレンボルトガスケットを新品に。
新品と取り外したしトレーナーの比較。大きさが違うように見えますが、置いてある高さが違うだけです。
ストレーナー内部には汚れがきっしりと詰まっていることでしょう。
新品はこんな感じ。

バルブボディの見えるところは念入りに洗浄して、ストレーナーを取り付けます。
オイルパン内部の様子。思ったほど汚れていません。

キレイに洗浄しガスケットを新品に交換して元に戻します。
その際に取付ボルト、ワッシャーはすべて新品に交換します。
オールドベンツ専用のアタッチメントを使用してトルコン太郎と接続。
今回使用するのはペトロナスATF500。ペトロナスはマレーシアの国営企業で石油元売りでもあり、厳格な管理下で製造されるオイルはオールドベンツにぴったりです。
抜けた分のオイルを充填して圧送交換を始めます。

圧送交換の流れは一定量の交換後、自動的に10分間のクリーニングが始まります。
クリーニングが終わり、そしてまた圧送交換をします。これを繰り返しながら出来るだけ新油に近い状態になるように持っていきます。

いかがでしょうか?数回の交換を行った結果がこちらです。新油とかわらないレベルまで持っていくことができました。
油量はレベルゲージでピッタリと合わせて完了です。
続いてスターターの交換です。症状はエンジン始動後にピニオンギアの戻りが悪くて、たびたび異音が発生しています。
ヤナセで見積もりをすると定価131,100円とかなり高額。しかも生産中止です。
別ルートの部品商に確認したところ59,000円にて優良品の在庫がありとの回答。お客様にご快諾をいただきまして、すぐに発注をしました。
古い車ではボルトが固着することがあり、少し難儀しましたが無事に取り外しができました、ここまで来れば半分は終わったもの!…って、ちょうと半分の作業でしたね。

新しいスターターを元通り組付けます。
何度かテストするも、異音は無くなり修理完了です。
欲しいからといって、手に入れることは難しいW123ミディアムクラス。少しだけ紹介します。
オールドベンツに似合うライトブルー。
ホイルカバーも当時のまま。
今だからこそ惚れ惚れするデザイン。
そして耐久性のあるディーゼルエンジン。

一昔前は「ATFは無交換」と言われていた時期もあり、交換に対する抵抗があるかもしれません。

でもエンジンオイルは定期的に交換されますよね?

ATFも同じオイルですから、車を使用することで劣化もしていきますし、汚れた古いオイルのままだと性能が低下してトラブル発生の原因にもなるため、定期的に交換する必要があるんです。

早めのメンテナンスで愛車をいたわってあげましょう!
ご依頼ありがとうございました。
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
● 初めての問い合わせで迷っている方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

メルセデスベンツ ミディアムクラス 300TDディーゼルターボ (W123)
施工時走行距離: 192,000 キロ

<ATF圧送交換一式>

・ATFストレーナー交換
・オイルパンガスケット交換
・ドレンボルトガスケット交換
・オイルパン取付ボルト/ワッシャ交換
・ATF (ペトロナス ATF500) 20L
・スターターモーター交換

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。