埼玉県深谷市からお越しいただきました、今回のお車はメルセデスベンツC200アバンギャルド。トルコン太郎でのATF圧送交換のご依頼です。
いまのところオートマチックに気になるところや不具合はないけれど、走行距離も9万キロを超えてきたこともあり、今後も大切に乗り続けたいという流れで入庫となりました。
現在の走行距離は92500キロ。

まずは事前に診断を行い車両システムに不具合がないかの確認。気になるフォルトは1つもありませんでした。
それではリフトアップをして作業を進めてまいります。
ドレンボルトを外してオイルを排出。
圧送交換時に比較できるように少し保存しておきます。
つづいてオーバーフローパイプを打ち抜いて、さらに排出。
これでオイルパン内のフルードはほとんど抜くことができます。
四角いグレーの箱のようなものがATストレーナーです。
こちらの車はトルクコンバーターからもフルードの排出が可能。ゆっくりと抜けますので30分ほどかかるんです…
完全に抜けきったところでドレンボルトを新品に交換して、規定トルクで締め付け。
取り外したバルブボディ。黒いプレートがオートマチックのコントロールユニットです。エレクトリックプレート、VGSとか呼ばれています。
パーツクリーナーをふんだんに使用して、バルブボディ本体の汚れをきれいに洗い流します。
こちらはソレノイドバルブ。先端にはメッシュ状のフィルターがあり、ここで異物をキャッチしてくれます。
どうですか?きれいサッパリ。
全部で8個のソレノイドバルブの洗浄が完了。

オイルガイドパイプやVGSのOリングは交換。
ソレノイドバルブの組み付け完了。
ATフィルター内部はかなりの汚れがあり、ドロドロでした。

新品は真っ白で気持ちがいいですね。
マグネットにも大量も鉄粉があり、すでに飽和状態です。

汚れを取り除きマグネットは元の位置へセットします。
オーバーフローパイプをはめ込んで、
ガスケットを新品に交換します。
バルブボディを元に戻してストレーナーを組み付け。
性能が向上するわけじゃないけど、オイルパンはピカピカに。見えない部分でもキレイになっていれば気分もいいですしね。
使用するオイルはモチュールのATFⅥ.
抜けたのは7.5リットル。この車の総油量は9リットルなので、全体の約83%が新油に入れ替わったことになります。
抜けた分のフルードを充填して圧送交換をはじめます。

1回目の圧送交換がおわりました、続いて2回目の交換を始めます。
トルコン太郎ATF圧送交換の流れは一定量の交換後、自動的に10分間のクリーニングが始まります。
クリーニングが終わり、そしてまた圧送交換をします。これを繰り返しながら出来るだけ新油に近い状態になるように持っていきます。

いかがでしょうか?左が新油で右が現在トランスミッション内を循環しているATFです。
透明度は新油とほぼ同じで、ここまでキレイにすることができました!
そして油量調整です。診断機をつないでオイルレベル点検モードに入り、現在の温度をモニターします。
この車はトランスミッションの油温が45°になったらドレンを外してオーバーフローさせます。
そして画像のように滴下状態になるまで、オイルを排出。
こんな感じで滴るまで待ちます。
ガスケットを新品に交換して完了です。
圧送交換が終了したので走行テストを実施。力強い加速と終始スムーズな変速でフィーリングも良好です。
もう一度、リフトアップをして取り外した部品の確認・オイル漏れのチェックを行って完成です。
最終チェックとしてXENTRYで車両システムの総合検査。フォルトは一切ありませんでした。
入庫時と出庫時には必ず診断機で検査を行っており、納車時にこのような診断結果をお渡ししています。
ご依頼ありがとうございました。
一昔前は「ATFは無交換」と言われていた時期もあり、交換に対する抵抗があるかもしれません。

でもエンジンオイルは定期的に交換されますよね?

ATFも同じオイルですから、車を使用することで劣化もしていきますし、汚れた古いオイルのままだと性能が低下してトラブル発生の原因にもなるため、定期的な交換がオススメです。

早めのメンテナンスで愛車をいたわってあげましょう!
丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業にどうしても時間がかかってしまいます。

急いで作業を行えばヒューマンエラーにもつながりますし、ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 初めての問い合わせで不安な方
● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

メルセデスベンツ Cクラス C200アバンギャルド (W204)
施工時走行距離: 53,000 キロ

<ATF圧送交換一式>

・バルブボディ脱着清掃
・ATオイルパンガスケット交換
・ATFストレーナー交換
・バルブボディ固定ボルト交換
・ATオイルパン固定ボルト交換
・オーバーフロープラグ交換
・オイルドレンプラグシールリング交換
・オイルガイドパイプ交換
・VGSカプラーOリング交換
・コンバータードレンプラグ交換
・ATF (モチュール ATFⅥ) 20L

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。

この記事を書いている人

オートプラネット篠塚真介

オートプラネット篠塚真介

埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。