ジャガーXKR-Sの入庫
埼玉県さいたま市のお客様より、ジャガーXKR-Sの各種整備でご依頼をいただきました。

今回の整備内容は、
・トルコン太郎でATF圧送交換
・エンジンオイル交換(ロイヤルパープル)
・SOD-1 Plus添加
・フロントバンパーグリル同色塗装
です。

事前の問診では、「だいぶ距離も伸びてきて最近滑るような感じがする」ということでご入庫となりました。以前からトルコン太郎に興味があったようですが自分の車はできないだろうな、と諦めていたそうです。でも諦めなくて大丈夫です、弊社は輸入車の整備も得意としておりますのでお任せください。
症状の確認のため走行テストをするのですが、こちらのXKR-Sに搭載されているエンジンはV8。しかも5000cc。それにスーパーチャージャーが搭載されています!なんか文字に表しただけでも、どれだけのポテンシャルを秘めているか伝わってきますよね?
あまり思い切った走行はできませんが、しっかりとトルクが伝わっていない感じが確認できました。お客様が気になっているのは「これ」のことだと思います。
ジャガーXKR-S診断機をつないでいる様子
診断機をつないで現在の車両状態をチェック。
ジャガーXKR-S診断結果
診断結果はというと…フォルトだらけでした!
ジャガーXKR-Sフォルト消去
あれだけたくさんあったフォルトですが、いずれも記録されていたのは過去の物でしたので、キレイに消去できました。一安心です。
ジャガーXKR-S下回りの様子
リフトアップをして下回りを見ると、ご覧のようにキレイなもんです。きっとオーナー様は大切にされてるんでしょうね。
もしかしたら雨に日は乗ってないのかもしれません。
ジャガーXKR-SのATオイルパン
ドレンボルトを外してオイルを排出。
ジャガーXKR-SのATFを保存
比較用瓶に旧油を保存しておきます。
ジャガーXKR-SのATオイルパン取り外し中
ドレンからオイルが抜けきっても、オイルパン内部には残留している分がありますので、こぼさないようにゆっくりと取り外します。
ジャガーXKR-Sのバルブボディ下部
バルブボディが見えます。それほどひどい汚れではありません。
ジャガーXKR-S旧ATオイルパン
取り外したオイルパンです。
ジャガーXKR-S鉄粉吸着マグネット
鉄粉吸着用マグネットです。鉄粉の量は訂正範囲内ですね。特段、心配する必要はありません。
ジャガーXKR-SのATオイルパン新品と旧品の比較
ATストレーナーはオイルパンと一体式のためオイルパンごと交換になります。
ジャガーXKR-S新品ATオイルパン
マグネットも新品がついてきます。
ジャガーXKR-Sバルブボディ洗浄
バルブボディの見える範囲はできる限り洗浄。
ジャガーXKR-SのATオイルパン取付完了
オイルパンを元通り組み付けます。
ジャガーXKR-Sの旧ATF
今回抜けた量は約3.6リットル。
モチュールATF
使用するオイルはモチュールのATFⅥです。
ジャガーXKR-Sトルコン太郎
それではトルコン太郎を接続してATF圧送交換の開始です。

1回目が終わりました、続けて2回目を始めます。
ジャガーXKRトルコン太郎でATF圧送交換中
圧送交換の流れは一定量の交換後に自動的に10分間のクリーニングが始まります。
クリーニングが終わり、そしてまた圧送交換をします。
これを繰り返しながら出来るだけ新油に近い状態になるように持っていきます。

ジャガーXKRトルコン太郎でATF圧送交換完了
複数回の交換をしたことで、ここまで新油に近づけることができました。
ほとんど新油と遜色ありませんね。
これでATF交換は終わり。次は油量調整作業です。
ジャガーXKRのATF油温管理
油量調整はATF温度を測定しながら行います。
ジャガーXKRのATF油量調整中
規定温度に達したらオーバーフロープラグを取り外して、流れ出てくるオイルが滴下になればOKです。
SOD1 Plus添加
SOD-1 Plusの添加量はトランスミッションの場合で総油量の7%。この車は10Lですので700ccの添加量になります。
SOD-1 Plusの添加前に700cc分ATFを抜きとってから充填しています。そのまま入れるとATFの油量がオーバーしますからね。
ジャガーXKRエンジンオイル交換
次はエンジンオイル交換。
ジャガーXKRドレンボルト
ガスケット単品での供給はありませんのでボルトごと交換します。
オイル注入。
SOD-1 Plusも入れます。
エンジンオイルの油量確認は一手間必要になります。いわゆるレベルゲージはなくてメーター内での確認となります。
ATF交換、エンジンオイル交換が終わりましたので走行テストです。交換前に感じたトルクが伝わっていないような感覚は皆無。力強い加速でしっかりと動力が伝達できています!すばらしいフィーリングの一言に尽きます。
あとはフロントバンパーグリルの塗装をして完成です、こちらの完成写真撮り忘れです…かっこ良く仕上がったのにすいません。
ご入庫ありがとうございました。

オートプラネットでは丁寧な整備を心がけておりますので、ひとつひとつの作業に時間がかかっています。急いで作業を行えばヒューマンエラーということも起こりえます。

ミスを無くすためにもATF圧送交換作業の期間は、3日から1週間程度のお時間をいただいております。

どうぞご協力お願いいたします。

● 車の修理をしたいけど迷っている方
● どこのお店に依頼していいかわからない方
● 初めての問い合わせで迷っている方

経験豊富な整備士が適切なアドバイスをいたします、遠慮なさらずにお問い合わせください。

参考データ・作業内容

ジャガー XKR-S (J43YB)
施工時走行距離: 75000キロ

<ATF圧送交換一式>

・ATオイルパンキット交換
・エンジンオイル交換
・ドレンボルト交換
・ATF 20L (モチュールATFⅥ)
・SOD-1 Plus添加
・フロントバンパーグリル塗装

■ 今回のご請求額は、283,900 円(税込)となっております。

国産車に限らず輸入車でも対応可能な車種は多々ございます。メルセデスベンツ、BMW、ポルシェなど幅広く対応していますので遠慮なさらずにお問い合わせください。

この記事を書いている人

オートプラネット篠塚真介

オートプラネット篠塚真介

埼玉にあるオートプラネットで働くメカニック。
日々、大好きな整備や修理に明け暮れていて、とても充実しています。仕入先でみつけた素敵なクルマや整備・修理の内容を、自分のか細い語彙力で紹介していきます。
何ごとにも探求心のある人に憧れる。